広島市中心部で、被爆した壁を保存し建て替えを終えたベーカリー
「広島アンデルセン」が、8月1日リニューアルオープンしました。
約4年半ぶりに再開した広島アンデルセンには、開店前から多くの人が訪れました。
広島アンデルセンは被爆建物のひとつ
広島アンデルセンは、広島の爆心地から5キロ圏内に85件残る
「被爆建物」のひとつでした。
被爆壁の一部を保存し被爆建物としての登録が継続されることになりました。
旧店舗はもともと1925年に建築された旧帝国銀行の建物。
原爆投下時には爆心地から360メートルという至近距離に立地しながらも、
爆風に耐えた被爆建物として知られています。
1945年に被爆したのち再興され使われてきた建物を1967年にアンデルセンが
購入し、ベーカリーとレストランの複合店としてオープンしました。
改装改築を繰り返しながら、「パンのある豊かな暮らし」をご提案する場として
活用されてきたものの、建物の耐震性の問題から2016年1月17日に営業を終了し、
建て替えに向けてプロジェクトが組まれました。
被爆建物としての重要性や歴史的意義を鑑み、長い時間をかけて被爆壁の耐久性、
安全性に関する試験を行うなど様々な検討を繰り返し、広島市と協議を重ねた結果、
既存の被爆壁を一部保存することを決定したことから被爆建物として登録が継続
されることになりました。
取り付けられたのは、昨年10月に切り出した旧建物東側にあった壁のうち、
今後も外壁として使用が可能と判断した50平方メートル。
被爆建物保存計画の概要
1・ 保存方法
既存の建物東側の壁を切り取り、新店舗の東側の壁にはめ込む形で保存します。2・被爆壁として残す部分、面積
既存の建物の東側(袋町側)の壁の一部を、新店舗の壁の一部として使用します。
また、今回被爆建物部分の調査を進める中で、ストリングコース
(壁体の各層を区切る装飾的な水平帯)も被爆当時のまま残っていることが判明し、
この部分も新店舗に残す方向で進めています。
創業者の高木俊介・彬子夫妻が街の小さなパン屋を開いたのは、戦後まもない1948年のこの日。
創業以来、「食卓に幸せを運ぶ」という志を受け継いで、装い新たに、72年間変わらない
思いを被爆建物としての歴史的な使命と共に次の世代につないでゆくという想いが
込められています。
今は懐かしい旧アンデルセンの建物です。
リニューアルまでの約4年半、道のりは長かった!
建て替え前の旧店舗での営業を終えたのは16年1月。
そこから約2年もの歳月をかけて検討されたのは、被爆建物としての
保存のあり方だったようです。
本通りの街からアンデルセンが消えた4年間はホント寂しい想いでしたね。
広島アンデルセンリニューアルオープン
待ちに待ったリニューアルオープンの日には、オープン前から長い列ができています。
地上5階建ての新店舗でひときわ開放感にあふれるのは、1階のベーカリーフロアには、
石窯で焼いたパンがおよそ100種類並びます。
「すごいどれもおいしそうで、食べるのが楽しみです。」
アンデルセングループの代名詞ともいえるデニュッシュに加え、自家製の
発酵種で焼き上げた「the Bread(ザ・ブレッド)」といったパンが店内に
香ばしい匂いを漂わせています。
パンとの相性を考えて選び抜かれたチーズやスイーツ、ワインなども多く
並んでいます。
2階のレストラン
2階のレストランでは、広島アンデルセンのパンを様々な料理と共に楽しめます。
新型コロナウイルスの感染拡大を考慮し、当面の営業はデリバリーやテークアウトのみ。
自宅やオフィスで店の味を楽しんでもらおうと、ハンバーグステーキや
クラブハウスサンドなどシェフが腕によりをかけた料理を提供されています。
〒730-0035 広島市中区本通7-1
電話:082-247-2403
営業時間:2020年8月1日 本通の新店舗オープン
1F 10:00~19:00
2F [デリバリー]10:30~19:00
[テイクアウト]11:00~19:00
8月の店休日は8月19日(水)です。アクセス
JR広島駅よりタクシー10分
広島電鉄【広島港(宇品)行】「本通」下車徒歩2分
広電バス[広島電鉄1号線 広島港(宇品)行]「本通」下車徒歩2分
まとめ
市内に出た時は、アンデルセンでちょっと贅沢な気分を満喫するのが楽しみの
ひとつでした。
4年の長い月日で新しく素敵なアンデルセンに生まれ変わって広島の街に灯りが
点った感じです。
広島アンデルセンの店長は、「被爆建物を使い続けることは、
広島で生きていくことの象徴」と話されています。
被爆建物として広島の歴史を残しながら末永く愛されるお店として繁栄して
欲しいですね。
広島にお越しの際は是非お立ち寄りのおすすめのお店です。