寒い時期のお風呂は危険区域!健康維持にお風呂はホントにいいの?

寒さが厳しくなるこの時期に起こりやすい事故が、お風呂での突然死です。

特に高齢者がお風呂で亡くなったケースが相次いで報道されています。

そもそもお風呂は体にいいのか?悪いのか?

特に・・日本人はお風呂が大好きです。

健康維持の上でも大切な役割を持っていると考えられていますが、

実際にどんな効用があるでしょうか?

不幸な事故を避ける方法があるのでしょうか?

 

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80代夫婦が風呂の浴槽で死亡

昨年「浴槽の中で両親が亡くなっている」と同居する58歳の次男から消防に通報があり、
警察が調べたところ、風呂の浴槽の中で、85歳と83歳の夫婦が裸で座った状態で
死亡しているのが見つかったというニュースもありました。

 

入浴中に2人の体調が急変した可能性もあるとみられています。

冬場に増える日本の入浴中突然死

東京都内におけるお風呂での高齢者死亡事故の件数が、2015年に報告されています。

09~11年の総数3289人のお風呂に関連した死亡者のうち、
解剖を実施した550人のケースを検討しています。
ほとんどが60歳以上の高齢者で、435人(79.1%)が
おぼれて水を飲んでいました。
また300人(54.5%)は、循環器系の疾患が
死亡に大きな関係があることが突き止められ、
さらに250人(45.5%)では心臓病変が認められました。

冬に高齢者に起こる入浴中の死亡事故は、海や川などで起きる
溺水とはかなり異なるそうです。

 

水を飲んだ兆候がある人もない人も、心臓病変があると死亡事故につながる確率が
もっとも高いと報告されています。

 

ということは、お風呂は心臓に悪いということなのでしょうか?

 

それともお風呂の入り方の問題なのでしょうか?

お風呂は毎日入る人は、死亡リスクが減るの?

 

 

日本人と同じようにお風呂にゆっくり入る習慣がある民族は
なかなか見つからないそうです。

 

そのため研究論文も少ないのですが、フィンランドとイタリア、
米国の研究者のチームが出した注目すべき研究成果があるというので
ここに引用させていただきました。

フィンランドでは、サウナが一般的です。
研究者らは、フィンランド東部に住む42~60歳の2315人を、
1984~89年に調査対象者として登録し、
その後平均20.7年間の長期追跡調査を行いました。
この観察期間にいろいろな原因で死亡した人(全死因死亡)は929人、
そのうち190人に心臓突然死、
281人に致命的な冠状動脈性心疾患、
407人に致命的な心血管疾患がありました。

 

この研究によると、心臓突然死は1週間に1回のサウナ入浴をしている男性を1とすると、
週2~3回入浴する人は0.78、週4~7回の人は0.37とその割合が少なくなっています。

 

さらに、サウナの回数が増えると、致命的な冠状動脈性心疾患、致命的な心血管疾患、
および全死因死亡リスクまで低下することがわかりました。

 

この結果からは、お風呂そのものは体によく、心臓や血管のためにはなるべく
毎日入った方がいいと言えそうです。

 

そうなると、日本で報告されているお風呂での突然死の原因は、
お風呂の入り方にあると思われます。

湯船で起きる熱中症が危険

高齢者がお風呂に入ったときのリスクを考えてみましょう。

 

循環器や心臓に病気がある人がお風呂に入ると、皮膚の表面の血管が広がります。

 

すると手足に血液を取られ、脳の血液が少なくなって、血圧が急激に低下するそうです。

 

脳に血液が足りないと、意識がもうろうとし、その結果、危険な状態を察知できないまま、
お風呂の中で体が熱をどんどん吸収して、熱中症を起こします。

 

脈が速く、かつ弱くなるという特徴があり、めまい、一時的な失神、
顔面蒼白(そうはく)などの症状が生じ、意識を失っているうちに、
溺水する可能性があります。

 

このような血圧の変化は、冷えた体でお風呂に入ると起こりやすいと考えられます。

 

また、お湯の温度が42度を超えると入浴直後の1~2分で急激な血圧上昇が
起こる可能性があります。

 

その後は前述のように血圧が下がるため、その時の血圧変動の幅が大変大きくなります。

 

その場合、さらに意識低下、そして熱中症のリスクが高まりますし、
急激な血圧変動は脳梗塞(こうそく)を起こすことも考えられと言われています。

適切な準備をしてお風呂に入ろう!

風呂

さまざまな研究から言えることは、入浴中の突然死を防ぐには、
お風呂に入る前の準備が大切だと言われています。

(1)脱衣室や浴室の室温を24~26度程度に維持する。
(2)お風呂のお湯の温度は高すぎない41度以下にする。
(3)入浴中に水分を取ることができるように浴室に水を持って入る。
(4)お湯につかる時間は10分以内を目安にする。
(5)浴槽から急に立ち上がらないようにする。(引用)

といったことが事故の予防策になるようです。

 

入浴前に家族に声をかけるのも事故予防に役立ちます。

 

また、アルコールを飲んだ状態での入浴は危険です。

 

お風呂の目的は、体を清潔にすることだと思っているので、体のあかや汚れを
落とすということでは、シャワーで充分だと・・・

 

ひとり暮らしだと湯船に浸かるという習慣はなくなりました。

 

日本人は湯船につからないと、満足感が得られないという方が結構いらっしゃいます。

 

「ゆったりとお風呂に入ると疲れがとれる」と・・・

多くの方は思いこんでいらっしゃるのですが・・・

疲れがとれるというのは?

最近の研究によると、疲労は体にある種の疲労物質が増えることによると
考えられています。

 

とすれば、お風呂に入ることで、その疲労物質が体外に出たりするのでしょうか?

 

お風呂

答えはおそらく「NOー!」です。

 

皮膚からそんな物質がしみ出ることも、汗の成分に物質が混じることも、
科学的には考えにくいのです。

 

それに、長湯をするとむしろ疲れてしまうことは、誰でも知っています。

 

「疲れがとれる」のは、どうやら別な原因があると考えられます。

 

入浴に対する自律神経の反応の研究では、お風呂につかると、初めは交感神経が
活動的になり、引き続いて副交感神経が働くようになると言われています。

 

この仕組みは、温度に対する皮膚の反応と密接な関係があるようで、通常のお風呂の
温度は41度程度ですが、入浴前の皮膚温度(36度程度)より高いので、湯船に入ると
温かさや熱さを感じることになり、この感覚は脳に伝えられ、脳は緊張します。

 

体温の急激な変化を避けるために交感神経が働き、皮膚の血管を収縮させ、
お風呂の温度が血液を介して体の中に伝わるのを防ごうとします。

 

交感神経には同時に心拍を増やし、血圧を上げる働きもあります。

 

これが、あまり熱いお風呂に入ると血圧に良くないとされる理由のようです。

お風呂はぬるめがいい理由

 

お風呂の温度は40℃にすること!

 

40℃程度のぬるま湯は副交感神経が刺激され、血圧が下がるなどの効果があります。

 

逆に42℃以上の温度に浸かると交感神経の働きが活発になり、血圧が上昇。

 

血液の粘度が上がり血栓ができやすくなるので、ヒートショックの危険性が高まります。

入浴時間は10分

40℃のお風呂に10分以上浸かると体温が上がりすぎてしまい、
冬でも浴室熱中症になる危険があるとのこと。

 

また、意外にも「半身浴より全身浴」が良いそうです。

 

全身浴は体が温まり、血流も良くなるのが理由。

 

とはいえ、心臓や肺に疾患のある人は、水圧がかからず体温が上がりすぎない半身浴を
推奨されています。

ミネラル入りの水分補給

これは風呂上がりではなく、入浴前に5〜600mlほど補給することが大切。

 

そもそもお風呂に入ると汗をかき、500mlほどの水分が失われます。

 

発汗によるミネラルを補給するには、ミネラル入り麦茶が効果的だそうです。

「カフェインゼロ、カロリーゼロのミネラル入り麦茶」がいいそうです。

 

入浴は就寝前が多く、カフェインを含まない麦茶が適しています。

 

スポーツドリンクなどにもミネラルが含まれており、吸収が早いことから入浴の前後に
適していますが、糖分を含んでいるためダイエットを意識する女性や生活習慣病を
気にしている男性は避けたがる傾向にあるようです。

 

ミネラル入り麦茶は、研究により「血圧低下作用」や「血液さらさら効果」
傾向が認められたと発表されています。

 

これらはヒートショック対策に効果的。

 

“お風呂上がりのビール”は確かに魅力ですが、健康を考えると
“お風呂前のミネラル入り麦茶”を実践した方が良いかもしれませんね。

ぬるめのお風呂でリラクッス

ぬるめのお風呂なら体が慣れてきます。

皮膚表面の温度が上がるためと考えられます。

そうすると熱さを感じなくなり、脳の緊張がとれます。

熱いお風呂ではこうはいきません。

脳の緊張がとれると交感神経の活動は低下します。

 

全身が心地よい温度に包まれ、脳の緊張がなくなると、
全身はリラックスした状態になります。

 

さらに入浴を継続すると、脳のリラックスに伴い副交感神経が働き、
心拍が緩やかになります。

 

このリラックスの状態を感じた人は、疲れがとれたと感じるのです。

 

こうしてリラックス感を味わい、脳の緊張がとれた状態で風呂から上がると、
そのリラックス状態は維持されるので、すんなりと睡眠に入ることができます。

 

こうして、翌朝には確かに疲れがとれてしまいます。

 

お風呂で疲れを取るには、リラックスできるようにぬるめのお湯にすること、
湯上がりは、湯冷めして緊張状態が復活する前に、

 

なるべく早く床につくことがポイントと言われています。

まとめ

温泉

寒い時期は、お風呂は確かに冷たい身体を温めててくれ、気持ちもリラクッスしてくれる
健康、長生きの秘湯の感じがあるのですが・・

 

寒くなると高齢者のお風呂の事故が多いのです。

 

ひとり暮らしだと特にお風呂は危険区域だと思っているので、
湯船に浸かりたい時は、ひと目のある銭湯にゆくことにしています。

 

湯船に沈んでいた~~なんて言うのは避けたいです~~WW

 

 

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