新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、品薄状態にあるアルコール消毒液の代用品として、
自治体庁舎や福祉施設の除菌に「酸性電解水」を活用する動きが広がっているようです。
電解水は食品添加物として認められているため安全で、食塩水などを電気分解して作る
酸性電解水は、カット野菜など食品の洗浄・除菌に利用されているのです。
目次
酸性電解水とは何?
日本で生まれた、手荒れが少なく、安全で人にも環境にもやさしく効果的な殺菌消毒剤で、
水道水感覚で使用できます。
手指や内視鏡の洗浄消毒で厚生労働省の薬事認可を得ており(強酸性電解水生成装置)、
また、次亜塩素酸水の名称で食品添加物(殺菌料)に指定されています。
(強酸性電解水と微酸性電解水)
製法と物性
酸性電解水は、薄い食塩水や薄い塩酸水の電気分解によってつくられます。
強酸性電解水(pH 2.7 以下)と微酸性電解水(pH 5~6.5)があります。
両方とも主成分は次亜塩素酸(有効塩素濃度 10~60ppm)です。
抗菌・抗ノロウイルス活性
有効塩素濃度(10~60ppm)が他の塩素系消毒剤
(次亜塩素酸ナトリウム:使用濃度 200~1,000ppm)に比べて低いのですが、
酸性のため活性の高い成分(次亜塩素酸)で構成されているため MRSA や
緑膿菌などの薬剤耐性病原菌や食中毒菌に対して広範な殺菌活性を示します。
ウイルスに関してもノロウイルスを含めて広範な抗ウイルス活性を示します。
なお、抗ノロウイルス活性は、ノロウイルスが人工的に培養できないので,
代わりにネコカリシウイルスで実験した結果に基づいています。
有機物の少ない条件では1000ppmの次亜塩素酸ナトリウムに匹敵する
殺菌活性を示します。ただし、有機物があると活性が低下または消失してしまいます。
新型コロナウイルスへの除菌効果は検証されていないのですが、大腸菌や
サルモネラ菌のほか、インフルエンザウイルスやノロウイルスにも効くことから、
にわかに注目を浴び始めたようです。
新型コロナウイルスが急拡大しています。
この急拡大を少しでも遅らせるため、また自分の身を感染から守るため、
できることをやりましょう。
次亜塩素酸水を多用しよう
効果が証明されていませんが、次亜塩素酸の除菌・ウイルス不活化力から
効果が期待されます。
50~200mg/l濃度の次亜塩素酸水で喉、鼻へのスプレーを提案します。
(濃度は刺激・違和感の有無で決めてください。)
自分でも作れるようですのでこちらのサイトを参考にして見てください。
自分で作った次亜塩素酸水を50ml程度のスプレーボトルに入れ持ち歩き、
可能なら15~20分間隔で3、4回程度スプレーします。
(20分はウイルスが粘膜細胞内部へ入るに要する時間です。)
ウイルスが粘膜内部へ入る前に除去できれば、感染を防げる可能性があります。
手・指・口のまわり(刺激なければ眼・顔)もスプレーしきれいなティッシュで
拭き取ります。
ドアノブ、テーブルの拭き取り、その他雑巾がけなどに、次亜塩素酸水を
じゃぶじゃぶ使いましょう。
(喉・気管支・眼などに違和感を受けることがあります。濃度は刺激・違和感の有無で
決めてください。)
1プッシュ約0.3mlですので液量を逆算してバッグに入れてください。
安全性は?
酸性電解水は、頻繁に手洗いをする人でもほとんど手荒れを生じません。
(次亜塩素酸ナトリウムは皮膚を痛め、手荒れがするので、
手洗いに使用できません)。
また、酸性電解水は人の健康を損なう恐れがありません(食品添加物指定の根拠)。
動物試験では以下のことがわかっています。
急性経口毒性(50ml/kg投与で毒性症状なし)
皮膚刺激性(一次および累積とも変化なし)
急性眼刺激性(角膜、虹彩、結膜に変化なし
皮膚感作性(浮腫、紅班なし)
口腔粘膜刺激性(病理組織学的に変化なし)、
細胞毒性(変化なし)
環境にやさしい!
酸性電解水の主成分である次亜塩素酸は化学的に不安定で、環境に放出されると
容易に分解し、また有機物と素早く反応するので、残留性がほとんどありません。
そのため、環境を破壊することはほとんどありません。
ただし、強酸性電解水の場合、主に食塩が原因で金属が錆びる恐れが高いので
注意が必要です。
認可状況はどうなの?
手指や内視鏡の洗浄消毒など医療分野での用途が認可されています。
(強酸性電解水生成装置)
また、次亜塩素酸水という名称で食品添加物(殺菌料)としても認可されています。
(強酸性電解水と微酸性電解水)
アルコール除菌液が不足している中、火急の対策として酸性電解水を活用して
コロナウイルスの予防になればいいですね。